なぜiPhoneを始め、ほとんどの電気設備はリチウムイオン電池を使用しているのか?

なぜiPhoneを始め、ほとんどの電気設備はリチウムイオン電池を使用しているのか?

  • 2021.07.14
  • 2021.08.04

なぜ今日の電気設備は普遍的にリチウム電池を使用しているのか?

どのようにしてリチウム電池を使ってスマホ、パソコン、自動車を作動しているのか?

この電池残量を見て、あなたは焦りますか?

iPhoneのバッテリーの残量

現代の生活はすでにあらゆる携帯用電気製品から離れられなくなっており、またこれらの製品はすべて電池から離れられなくなっており、そしてその大部分がリチウム電池です。

リチウムイオン電池

他の材料と比べて、リチウムは何が特別なのでしょうか? リチウムイオン電池はどのように働いているのでしょうか?

電池は正極、負極、電解質の三部分に分けられており、酸化還元反応によって電気を生み出しています。

リチウムイオン電池の働き方や原理

鉛酸蓄電池の特徴や欠点や働き方

これはわたしたちが今日よく見る鉛酸蓄電池であり、プラスチックの外殻は通常、直列接続している六つの単体電池からなっており、それぞれの単体電池の正極負極には多くのプレートが密接に差し込まれています。

鉛酸蓄電池

その中で正極は二酸化鉛であり、負極は鉛であり、希硫酸電解質の中には重硫酸イオンと水素イオンが含まれています。

鉛酸蓄電池の働き方や充電や放電の原理

放電する時、負極の鉛は電解質の中にある重硫酸イオンが酸化して硫酸鉛と水素イオンを生成して電気を放出します。

電気は外部電気回路を通して電流を生み出し、続けて正極の二酸化鉛と電解質の中にある重硫酸イオン、水素イオンと共に還元して硫酸鉛と水を生成します。

鉛酸蓄電池の働き方

正極負極の間には多孔の隔離板があり、多くはプラスチックの材質で、イオンを通過させますが、導電することはできず、両極の直接接触によるショートを防ぎます。

注意する必要があるのは、電池の放電の過程は、充電する時に可逆的なので、繰り返して使用することができます。

多孔の隔離板

鉛酸電池の働き方や利点や欠点

容量は人々が最も関心を持っている電池の要素であり、正極負極の物質の比容量(理論容量)によって決まります。

たとえば鉛酸電池の中で、1molの鉛は約6.02×10²³の鉛原子があり、酸化する時には2molの電子、すなわち約53600mAHの電気を放出します。

1mol鉛の重さは207gであり、電量を重さで割ると鉛の比容量は約259mAh/gです。

鉛酸電池の容量の計算方法

比容量が大きければ大きいほど、ますますより少ない質量で多くの電量を得ることができます。リチウムは比容量が3861mAh/gに達しているので、まさに現在最も使われている電池の材料になっています。

電池材料の比較

しかし、直接リチウムを電極の充電電池とすることには決定的な欠陥があります。

放電する時に、リチウムは酸化してイオンになって電解質に入り、充電する時に、これらのイオンは再びリチウムの表面に沈積します。しかしこのような沈積は均一ではなく、樹枝状結晶が生み出され、それが長すぎると折れてしまい、反応することがなくなり、電池容量が低下していきます。

電池容量が低下してしまう原理

また樹枝状結晶は正極負極の間にある隔離板を突き破って、ショートを起こす可能性があり、電池が着火してさらに爆発するかもしれません。

電池が着火してしまう

リチウムイオン電池が普及した理由

上述の問題を解決するために、1991年、ソニーは世界で初めてリチウムイオン電池を商品化しました。ただその背景には長い研究と考察があり、その歴史と共にご紹介します。
時は戻り1976年、この辺りから今のリチウムイオン電池の原型に繋がる研究が始まっています。もちろん何かに使用する目的があったわけではなく、従来のニッケル水素電池よりも容量重量比が少なく、高電圧で再充電可能な画期的バッテリーを開発する事が目的でした。
そして様々な研究者が繋いだ末、1985年にリチウムイオン電池「二次電池」の基本概念が確立されました。
その後1986年には米国運輸省から今までのバッテリーとは違う新しいバッテリーとして正式に認定されました。
1999年までには様々な改良と軽量化が進められ、従来の鉄やアルミニウムを使用した外装はラミネートフィルムで保護することによりかなり軽量化がされました。
ここまででリチウムイオンバッテリーは今後の高度情報化社会への道を開きます。

iPhoneのバッテリーの維持方法や交換のタイミングはこちら

リチウムイオン電池の働き方や原理

ソニーが開発したリチウムイオン電池

リチウムを電極とするのではなく、主に電気化学の挿入/脱離反応(insertion/deinsertion reaction)によってイオンが正極負極の間移動します。

リチウムイオン電池の働き方

二酸化リチウムコバルト電池を例として、放電する時、リチウムは石墨の負極から脱離してイオンとなり、電気を放出した後、続いてリチウムイオンは電解質を通して正極の二酸化リチウムコバルトに挿入します。充電はその逆になります。

リチウムイオン電池の働き方

リチウムイオン電池の鍵は正極負極の材料の化学構造において隙間を持ち、リチウムイオンの挿入、もしくは脱離を可能にさせます。

ですから、正極で採用する材料が現在の異なる種類のリチウムイオン電池の最大の区別となります。

一般的な正極材料には、二酸化リチウムコバルト、リチウムマンガン、リン酸鉄リチウムなどがありますが、それぞれ比容量が比較的に低く、安全性が低く、コストが高いなどの欠点があります。

二酸化リチウムコバルト、リチウムマンガン、リン酸鉄リチウムの材料比較

一旦電気自動車のような大型用電気設備に使うと、その性能に優劣が露わになります。

こういうわけで、物質の異なる有利性を総合した三元材料が出現しました。その中でNCAリチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物とNCMリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物の性能が比較的に抜きん出ており、バランスがとれています。

三元材料

電動自動車の中で、コストを考慮してまだリン酸鉄リチウムを使っているものもあります。また、性能を優先するブランドもあります。たとえば、「前途自動車」は起業初期に高性能のNCMを電池材料のトップチョイスにしました。

電気自動車

現在電気自動車の電池は主に円柱形、長方形、袋型の三種類の形があります。

電気自動車に使用されるリチウムイオン電池

以前は袋型を採用したことを例に、アルミプラスチック包装膜を包装材料として使用したことによって、大幅に電池の重さを低減しました。配置する時に円柱形には避けられない隙間があることに比べると、袋型のスペース利用率はより高いです。

この他に、軽くて薄い袋型の電池放熱面積はより大きく、自動車の電池モジュールの温度管理に有利です。

薄い袋型の電池

電池モジュールはRESS再充電パワー貯蔵システムと呼ばれ、10の標準バッテリーボックスBMSと熱管理システムから成っています。

電気管理システム

すべての標準バッテリーボックスには60のバッテリーセルがあり、総電力は78.84kWhであり、総合測定走行距離は380kmを超え、60km/hの固定速度の走行距離は510kmを超えました。

満載の状況の下で、100km/hまでの加速時間は4.6秒を下回り、性能パフォーマンスはポルシェ911、レクサスLCなどの千万円クラスのスポーツカーに匹敵します。

中国国内で純電気スポーツカーの初の量産として、「前途K50」はリチウム電池の優秀な応用を通して、現代の生活の中で、スマホ、パソコン以外にまた新しい可能性を提供したことに疑いの余地はありません。

まとめ

これだけ高性能な物が開発されたこと、現在みたく全てが電気で動くような時代になること、これらを考えるとリチウム電池がここまで普及するのは必然だったのかもしれません。
2000年代にはパソコン、モバイル電子機器、いわゆるガラケーなどが急速に普及した事で高性能なリチウム電池、なおかつ軽量化に成功しているバッテリーを使用しない手段はありませんでした。
そして2010年辺りからついにiPhoneを代表に「スマートフォン」が急速に発達します。従来のモバイル機器のガラケーなどと違い電池容量が多く必要で、電圧も相当使用します。しかしリチウム電池はそれにも匹敵する性能を持っていたため、ほぼ全てのスマートフォンにはリチウム電池が採用されました。さらに自動車業界は今では当たり前のリチウム電池を使用したハイブリッドカーや電気自動車を開発します。そして現在ではスマートフォン、ビデオカメラ、パソコンやドローンなど大体の電子機器に使用され、リチウム電池市場は1兆円規模を超えるまでに成長しました。今みるとスマートフォンによってリチウム電池が発達したというより、リチウム電池がスマートフォンを支えたという方が正しいかもしれません。

一部文章や画像の出所:PaperClip

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