iPhoneのバッテリー劣化の診断方法、長持ちさせるコツ
- 2021.07.24
- 2021.08.03
かつてiPhoneのバッテリー劣化の診断方法には、日頃から使用しているユーザーが以前よりも持たなくなったという感覚的なものに加えて、Apple公式サポートに問い合わせてiOS診断プログラムによってハードウェアの検査を行う方法がありました。
iPhoneは購入時に付いてくる1年限定保証や有料で任意加入するApple Care+の保証により、正常な使い方をしていたにも関わらずフル充電時のバッテリーの能力が80%以下に達した場合は無料交換の対象となるため、iOS診断は正確にバッテリーの状態を知ることができる重要な役割を占めていました。
しかし、iOS診断を利用するためには公式サポートの受付時間でなければならず、お仕事で忙しく日中に時間を作れない方にとっては厳しいものがあるだけではなく、調子の良い時と悪い時があるような再現性が不安定なばあいは、たまたま診断を受けた時に症状が発生しなければ問題なしと判定されて無料交換が申し込めないケースも少なからずありました。
そのような問題を解決するためにiOS10.2.1から11.2.6では設定、バッテリーの順にタップすると画面の上部は通常何も表示されませんが、バッテリーに何らかの異常があった場合には「iPhoneのバッテリーの点検修理が必要になる可能性があります」と表示されます。
このメッセージが表示された場合は、バッテリーの劣化や故障があり、ほぼすべてのケースで交換が必要な状態となっており、前述の1年限定保証やApple Care+の保証期間内であればApple公式サポートに問い合わせて無料交換プログラムに申し込んだり、保証外の場合は早めの交換がおすすめです。
つづくiOS11.3以降ではバッテリーの分析機能がさらに強化され、「バッテリー」画面の中央にある「バッテリーの状態」をタップすれば最大容量が表示されます。
正常な新品の状態ならば100%を示し、おおよそ500回にわたり0%に至る放電とフル充電を繰り返した場合に80%程度の性能になるように設計されていますが、ここで保証期間内に80%を下回るようであれば欠陥がある可能性があり無料交換の対象となります。
このように、ユーザーの感覚的なものや「点検修理が必要になる可能性があります」という曖昧なものではなく、具体的な数値でバッテリー劣化の診断が可能となりました。
バッテリーを長持ちさせるコツは、まずはiOSを最新版にアップデートすることで、iOS11.3以降ではピークパフォーマンスのダイナミックな管理や、高温時、低温時の内部電圧管理など省電力機能が大幅にパワーアップしました。
つづいて重要なのが日頃からのユーザーの運用方法で、工夫次第では大幅に消費電力を低減してバッテリーを長持ちさせることが可能です。
最初に考えたいのが使わない物はオフにするということですが、ありがちなのは必要が無いのにWi-FiやBluetooth、GPSなどがオンになってしまっているケースです。
これらの機器はオンになっていれば必要が無くても常に一定の時間ごとに電波を発生して周囲に接続できる機器、衛星を探し続けてしまいます。
この動作にも当然電力を消費するため、必要がなければオフにするのがおすすめです。
アプリの中には起動していなくてもバックグラウンドで常駐して常に通信を行っているものがあり、こちらは電力消費だけではなくモバイルデータ通信の容量も消費してしまうため二重に無駄になってしまいます。
ホーム画面の設定を開いてから「モバイルデータ通信」をタップするとインストールされているアプリがリストアップされ、アプリ名の下にはこれまで集計されたデータ通信量が表示されています。
ここで特に必要が無いのに著しく通信を続けている場合はバッテリー消費にも影響を与えるため、アプリ名の右側のトグルスイッチをオフにして通信を遮断するか、アプリのアンインストールをしたり代替のアプリに乗り換えることも検討の余地があります。
iPhone本体のパーツの中で最も消費電力が高いのは液晶画面と言われており、自動ロックを有効にしてオフにするのを忘れても画面を消してくれるような設定をしておくのはもちろんのこと、通常の運用でも必ずしも強い明かりの表示は必要ないため、明るさを調整すれば大幅に消費電力を低減できます。
また、利用するアプリにもよりますが可能であればダークモードで画面を黒をベースに暗くしたり、ナイトモードで周囲の明るさに応じて輝度を下げてくれる機能を利用するのも効果的です。
最後にバッテリーを長持ちさせるために重要なのが、充電や運用方法です。
iPhoneのリチウムイオンバッテリーはおおよそ500サイクルが基準となっていますが、完全に放電する前に充電したり小まめに充電を繰り返す、いわゆる「継ぎ足し充電」をすることでサイクルが乱れて想定よりも早く劣化が発生することがあるため、できるだけ完全放電とフル充電を繰り返したいところです。
このようにiPhoneは、工夫次第でバッテリーの劣化を抑えて長持ちさせることが可能です。
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